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大津波記念碑(岩手県宮古市姉吉地区)

岩手を回った際、以前畑村洋太郎氏の著書「失敗学のすすめ」で見たことのある「大津波記念碑」が隣町にあることがわかったので車を出してもらい見てきました。場所はこちら。

本州最東端のとどヶ崎がある重茂(おもえ)半島にあります。1933年の昭和三陸地震津波被害を出した後、地元の方が建立した石碑で、道端にポツンとあります。この石碑から下流方向には家を立ててはいけないよ、という戒めが記載されています。

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 読みづらいですがこう書いてあります。

大津浪記念碑

高き住居は児孫の和楽
想へ惨禍の大津浪
此処より下に家を建てるな

明治二十九年にも、昭和八年にも津浪は此処まで来て
部落は全滅し、生存者僅かに前に二人後に四人のみ
幾歳経るとも要心何従

 石碑から山道を下った所には姉吉漁港があり、明治三陸地震昭和三陸地震、そして東日本大震災の時とも漁港からここまで津波が上ってきたそうです。海岸からかなりの距離と高さがあります。

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 漁港まで降りてみました。天気も良く、波も静かです。

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漁港から下ってきた山道方向です。写真中央方向に下ってきた山道があり、石碑までは小さな川が流れています。ここを津波が遡行したのか…。姉吉漁港近辺は3.11でも全滅したようで、建物の基礎などがちょぼちょぼ残る程度でした。石碑にある警告を無視して…。

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 ここに来るまでは「昔の人が戒めを残してくれたのに、80年も経つとその意味合いは薄れてしまう、人間は愚かなものだ」とこの事実を他人事として考えがちでしたが、3.11から4年「しか」経っていないのにその事について忘れがちだった自分を省みてはっとしました。帰宅してから懐中電灯の点灯と電池、携帯ラジオの動作確認を早速実施。