Flying Scotsman

府中、小金井、三鷹

「稼ぐまちが地方を変える」木下斉さん講演会

昨日、立川で地域活性化伝道師の肩書を持つ木下斉さんの講演を聞いてきました。会のタイトルが「狂犬ツアー」だったので、どれだけ強烈な毒を吐くのかと期待していたけど、内容は至極「当たり前」の印象。でもこの「当たり前」は今更語る意味がないということではないです。補助金に頼らない、営業をきちんとかける、利益をきちんと出す、身の丈の投資計画を立てる、という堅実な手法をきちんと順序立てて用いる、という実に論理的で民間では常識としてやっている当たり前な考え。でもそれが大抵どの街づくりでも実現できていないよね、という話。

 

著書にもあるけど行政は民間を信頼し、経営のことはよりプロである民間に任せる。今まで行政との接点が無かったようなalternativeな人達と一緒にやっていく。そして何より、市民はワークショップやイベントに「参加」するのではダメで、市民が当事者になって自ら実行するプレーヤーとなること、とのメッセージは自分にとって強烈でした。確かに今までずっと「参加」するだけで何か貢献できていたような錯覚に陥っていました。「観客ではなく、自分でバッターボックスに立つ」ことこそスタートだとも。

 

小さくはじめて、まずは黒字経営。余剰の一部は分配せず投資に回しながらだんだん規模を拡大していく。補助金に頼らず、稼げる仕組みを順序と過程を踏みつつ泥臭く、地を這うような地に足の着いたやり方で固め、金融機関から融資を受けてきちんと返していく。更に大事なのは「入れて、回して、絞る」。地域外からお金を入れ、地域内で回し、地域から出て行く分は絞って留保を増やす。ほとんど経営学の講義みたいな印象でしたが、この考え方こそ大方の地域にも、そして自分にも足りなかったですね。

 

木下さんから「お前も何かやるって言ってるみたいだけど、さっさとやれ。補助金に頼らず自分から、泥臭く知恵と時間をかけて」って言われているような気がした2時間でした。会場でよりもむしろ帰ってきてからじわじわ効いてきています。